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2025年05月04日 12:07
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2010年06月19日 04:10
天使は歌を歌う。けれど、双子の天使は泣いていた。
1人はヒトに恋をし、自分の気持ちすら相手に伝えられないことが悔しくて泣いていた。
1人は泣き止まぬ彼女を思い、何も出来ない自分が悔しくて泣いていた。
そんな双子を憐れんだ神様は、一つのことを提案した。

「ヒトにも見えるよう、生まれ変わらせてあげよう。ただし、2人一緒にだ。あなた達は双子だから、どちらか一方だけ生まれ変わることは出来ないよ」

双子とは、運命共同体のことだ。1つの力を、2人で分けて生まれてきた存在。そのため双子はいつも一緒にいる。食べる時も、歌う時も、眠る時も。
だからその提案を聞いた時、彼女は困惑した。
愛する人にこの気持ちを伝えたい。けれど今自分の隣にいる、自分の半身を巻き込みたくはない。下界は恐ろしい場所だ。自分のわがままで、彼に嫌な思いをさせたくない。
そう思ってその提案を彼女が断ろうとした時、

「大丈夫です」

隣の彼が口を開いた。

「彼女と一緒なら、俺は構いません」

それは、この提案に対する肯定的な答えだった。

「・・・っと、待ってよ!あんたがあたしのわがままに付き合うことなんかない!!あんな下界なんかに・・・あんたにメリットなんて、ないじゃん・・・・・・」

彼女は彼が優しいことを知っていた。知っていたから、また自分のわがままに付き合おうと無理をしているんだと思った。
そんな彼女の気持ちに気付いてか気付かずにか、彼は一息ため息をついてから呟いた。

「俺はリンのわがままに付き合ってるつもりなんてないよ。下界には前から興味があったから、いい機会だよ。それに、それにさ・・・下界にも歌はあるって聞いたよ?リンと歌が歌えるんなら、ここも下界も大して変わんないよ」

そう言って彼は笑った。自分の気持ちに偽りはないと、彼女に伝えるために。
そんな彼の優しさが嬉しくて、彼女はたまらくなって泣いた。横で自分とは正反対に笑っている、そんな自分の半身の笑顔を見て、泣いた。




天使は歌を歌う。双子の天使は歌を歌う。
ボーカロイドの身体で、愛するマスターのそばで、愛しい半身のそばで―――。



――――――
友人がツイッターで呟いたボカロ妄想を、勝手に解釈&二次創作。ごめんぬ。
一度投稿エラー起こして文章消えた時は呪いかと思った・・・。
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